デベロッパーの事業多角化⑥【第10稿】
こんにちは。
今回は「再生可能エネルギー」について書こうかと思います。
とっつきやすい太陽光発電から書いていこうかと思いますが、「太陽光」というと、いろいろな印象を持っている方がいます。
・太陽光バブルで儲けたブローカー?なんか怪しくない?
・屋根に乗せるやつでしょ、投資しても元取れないよ。
・最近、売電の価格下がってきたから、もう利益出ないでしょ。
などなどです。
2012年にFIT法(再生可能エネルギーにて発電した電力の固定価格買い取り制度)が施行され、数年の内に太陽光発電所が急増したことが情報交錯の原因だと思いますが、まずは簡単に整理できればと思います。
まず、再生可能エネルギーは下記の5つに分解できます。
⑵風力発電
⑶地熱発電
⑷水力発電
⑸バイオマス発電
FIT法では、5つの発電方法毎に、それぞれの固定買い取り価格が設定されています。
その中でも、太陽光発電の固定買い取り価格は2012年には42円/kWに設定されました。2017年現在の買い取り価格は21円/kWと比較しますと、当時の高単価ぶりが分かると思います。なお、ここで書くのは、屋根への設置ではなく、野立て太陽光発電所のことを指しています。
FIT法の導入および固定買い取り価格設定に関しては、ソフトバンクの孫氏の誘導があったともいわれ、一部では「SOFTBAN肥やしの法整備だ」とも言われていたのも有名な話です。なお、ソフトバンク系列のSBエナジーでは、数多くの太陽光発電所を手掛けています。
引用:SBエナジー http://www.sbenergy.co.jp/ja/business/list/
太陽光発電所が急増した理由には、以上のように「買い取り価格が破格だったから」という理由がありますが、もう一つ取り上げるトピックがあります。
それは、「誰でも売電申請ができてしまったから」、というFIT法の不備があったという話です。
経済産業省および電力会社への事業認定の申請をする場合、現在でこそ当該する土地の「所有者」もしくは「所有者になり得る者」、「所有者から許可を得ている者」しか申請が出来ませんが、以前は「誰でも申請できた」時代がありました。
つまり、土地所有者からしてみれば、知らないうちに知らない人が自分の土地で、発電所の計画の申請を出している訳ですから大変迷惑な話です。
勝手に売電の許可を得てから土地の所有者に土地の売買交渉をしに行き、後は発電事業者に土地を売る。そんな手荒なブローカーが儲かってしまい、太陽光ドリームが出来てしまった――――。
2017年4月にFIT法が改正しましたが、これは「土地の所有者が容認していないのに設備認定を出してしまった案件を排除するため」に施行されたものです。
やっと、まともな事業環境が整ってきた一方、太陽光発電施設は急増。さてはて、どのようなスタンスで再生可能エネルギー事業に取り組んでいこうか。再生可能エネルギー業界はそんなタイミングにあると思っています。
次回は、その再生可能エネルギー業界の事業環境について、もう少し書いていこうかと思います。