デベロッパーの事業多角化④【第8稿】
こんにちは。
取引でバタバタしたため、前稿から時間が空いてしまいました。
本日はREIT(Real estate investment trast)について書こうと思います。
すこし難しい話題なので、あっさり書けなかったのも時間が空いた理由でした。
今回は「なぜ不動産デベロッパーがREITを利用するのか」という点に絞って書こうと思います。
リーマン後、デベロッパー各社は、自社でREITの資産を管理するアセットマネジメント会社を持ち、自社管理のREITを上場させている、もしくは上場をさせようと動いています。
一般社団法人投資信託協会さんによると、REITとは「多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。不動産に投資を行いますが、法律上、投資信託の仲間です。 」とのことです。
投資や不動産に馴染みがない方は、マッタクワケガワカラナイものになると思います。
例えば、「A不動産REIT投資法人」という法人をREIT市場に上場させると、「投資家」が「A不動産REIT投資法人」へ「匿名出資者」という形で投資し、「A不動産REIT投資法人」は出資額に応じて分配金を支払う。という形で資金は動きます。
上場させて資金を集めるので「REIT上場」と言いますが、上場させずに自力で資金を集めるのを「私募REIT」と言います。
では、「なぜ、デベロッパーはREITを利用するのか」ですが、それは「開発もしくは転売の出口をコントロールできるから」です。
マンションデベロッパーは土地を買って開発したマンションを、「分譲」もしくは「一棟売り」することで、利益を出していました。
「分譲」の場合、優秀な営業マンを雇い、時間をかけ、広告費をかけ、もしかすると売り切れないかもしれない。というリスクと隣り合わせで事業を行います。
「一棟売り」の場合、10~50億円の物件を買える人はとても限られます。
つまり、不動産開発は良いものを作っても、売り払うことがとても難しいのです。
それを解消するため「開発したら、REITで投資家から資金集めて、REITに組み込むことで利益を確定する」という策がとられています。
先の例でいうと、
A不動産:マンションを開発
という役割で進み、開発が完成したら、「A不動産REIT投資法人」へ組み込むことで、「A不動産」は利益を得る。そして、組み込んだ後は「A不動産の子会社のA不動産アセットマネジメント」で物件管理することで、管理手数料を投資家からいただく。という流れになります。
実際には複雑な法律と資金の流れがあるので、ここまで簡易的に書いていいものか悩みましたが、「なぜ、デベロッパーはREITを利用するのか」という概略は以上になります。
個人的には、REITのシステムを利用することで、投資家マネーが不動産開発に流れ、不動産開発の活性化に繋がっているという点で、本当に優れたシステムだと思いました。
原点は、アメリカの投資銀行でしょうから、さすが、という感想を持っています。
では、本日はここで終わります